日本健康・栄養食品協会は先月21日、都内のホテルニューオータニで創立30周年記念新春賀詞交歓会を開催した。健康と食品懇話会、国際栄養食品協会、サプリメント・エグゼクティブ会議、全日本健康自然食品協会、日本栄養評議会、薬業健康食品研究会が協賛。約350人が参加した。
主催者挨拶として、山東昭子会長が登壇。機能性表示制度がスタートして「大変いい環境になってきた」と話した。続いて30周年記念表彰が行われ、これまでの功績を称え、日健栄協の元理事長の細谷憲政氏ら4 人が表彰を受けた。
来賓挨拶を行った厚生労働省の生活衛生・食品安全部長の福田祐典氏は、食品GMPや健康食品の安全性第三者認証などに関連する活動を行ってきた日健栄協の取り組みを評価。一方で厚労省としては食品全般の国際的なルール適合という観点から、HACCPの導入について、今まで以上に積極的に進めていきたいとした。
続いて消費者庁次長の川口康裕氏が挨拶。機能性表示食品制度について、作りやすく売りやすく、そ
して消費者に信頼される制度を目指していることに言及した。一方、「消費者に信頼される制度となるた
めには、なお課題が残っているところ」と指摘。消費者をはじめとする制度の普及啓発のほか、届出がスムーズに進むための取り組みを充実させていく必要性に触れた。また、食事摂取基準のある栄養素や機能性関与成分が不明確なものの扱いについて、先月22日開催の検討会で議論、今秋をめどに報告書をまとめるとした。
さらに、昨年12月からインターネット販売における食品表示のあり方について検討が始まったほか、今後、加工食品の原料原産地表示や、特別用途食品制度の改善に向けた検討が続々始まることを紹介。様々な形で「新たな検討を始める節目にいる」とした。また消費者庁の徳島県への移転について、有識者会議が今年度末に成案を得ることとしているが、河野太郎消費者担当大臣からは移転を前提に検討するよう指示が出ているとした。最後に、制度の改善や様々な課題の検討に際し、「皆様の貴重な意見を賜ることが非常に重要と考えている」と話した。
日健栄協の下田智久理事長は乾杯挨拶で、機能性表示制度について「今年1 年は定着に向けた大事な年」との認識を示し、今後も努力をしていくとした。会場では、壇上挨拶で各氏が触れた機能性表示食品が話題の中心になり、川口次長が説明した見直しの流れがどうなるのかといった会話が交わされていた。複数の企業から機能性表示食品について届出中または準備中との声が聞かれた。
また2015年はインバウンド特需で市場が盛り上がったが、2016年の健康食品市場全体がどうなるのかを気にする声もあった。閉会挨拶を行った日健栄協副理事長の山口喜久二氏は、「健康食品産業にとって
は大きく羽ばたけるチャンスがある環境だと思っている」と話した。
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