原料の菌株をめぐる係争等もあり、市場拡大が遅れていた黒酵母。ここにきて、大手化学品メーカーが黒酵母由来β-グルカンの供給事業に乗り出してきたことで、市場拡大への期待感が高まっている。免疫賦活機能を中心とした有用成分β-1,3-1,6-グルカンの機能性に注目し、ドリンクやサプリメントへの採用が進むと見られる。これを受け、これまで市場を支えてきた黒酵母培養液供給メーカーでも、品質・規格の安定化をテーマに培養技術の革新が進んできた。「可溶性β-グルカンの安定供給」が市場での大きな差別化ポイントとなる黒酵母。今後、一大市場構築への期待は大きい。