厚生労働省が昨年12月に発表した「平成26年国民健康栄養調査」により、日本人のミネラル充足率の低さがあらためて露呈した。ロコモ対策や生体内恒常性の維持には必要量のミネラル摂取が不可欠とされるが、ミネラルサプリメントの需要はここ数年横ばい傾向で、強化食品も定番化したもののブームとなるような大ヒット商品が生まれなくなり久しい。ミネラルメーカー各社は「充足率の低さが消費者には認知されにくく、また充足の必要性についても理解が進んでいない状況」と口をそろえる。
一方で市場拡大の起爆剤となる可能性を秘めた機能性表示食品制度の見直し議論における“ビタミン・ミネラルの対象成分追加”には大きな期待がかかる。ミネラル食品市場の現状を追った。
「平成26年国民健康栄養調査」の結果によると、摂取基準と比較してもっともかい離しているカルシウムの充足率は20代で6割程度、50~60代では 8 割弱。ほかのミネラルについても、男女ともすべての年代で充足していたのは銅だけだった。特に男女ともにマグネシウム、女性では鉄や亜鉛が不足。慢性的な摂取不足が深刻だ。
ミネラルに関しては、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅が栄養機能食品として規格基準が定められており、昨年からはカリウムも「血圧」に関する表示が認められるようになった(サプリメント形状以外の製品について)。本年度から改定された「日本人の食事摂取基準」ではカルシウムの平均必要量は650mg(20代男性)。欧米と比べると低い水準だが、実際の充足率は 7 割程度しかない。推奨量からみると6割にも満たない。ほかのミネラルも改定により推奨量や上限量が引き上げられたが、年代によっては一層のかい離を生んでおり、食生活の変化や食物中の栄養素のバラつきといった問題もあり、通常の食事だけでは必要量を満たすのは・・・(続きは本紙第1590号で。) 購読案内へ