健康産業市場を動かしている、あるいはこれから市場を動かすであろうキーワードが「スーパーフード」「機能性表示」「水素」「インバウンド」である。相互には脈絡のない 4 つのキーワードではあるが、それぞれに市場を牽引する実力のある用語である。
新年号に向けて、機能性表示一色の取材に割り込んできたのが「スーパーフード」。米国のオーガニック、ナチュラルなどの流れを受けて誕生、チアシードやエゴマブームも加わり国内市場でも大手食品メーカーの新製品はスーパーフードが花盛り(今号で、スーパーフードの全容を紹介する特集を組んでいる)。
また、2,000万人を超える訪日客の「インバウンド」も昨年から話題だ。ホテルや百貨店、観光地も訪日客で溢れ、ホテルの稼働率も 9 割に迫る。当初は家電や高級品の爆買いがもっぱらで外の話と思っていたら、受託製造企業への調査でも 4 割ほどが影響を受けたとしている。
中間所得層の来日増加で、購入商品も高級品から日常品にシフトし、サプリメントや化粧品などへの需要が増している。これをきっかけにアウトバウンド需要の掘り起こしなど、攻めの取り組みも始まっている。
一方、「機能性表示食品」の受理件数も200を超え、4 月からのウェブ登録開始で加速するとみられる。「今年1,000件は固い」(薬系団体関係者)と強気の予想も。
市場でも「レスポンスが向上した」「購入単価が跳ね上がった」などの話題で持ちきり、売り上げの押し上げ効果が期待できそうだ。検討会の動向如何では、さらなる市場拡大の期待も。
そして「水素」である。今月の健康博でも、我が国の水素製品の主要企業の製品が勢ぞろいする。すでにスポーツジムやコンビニにも、様々な水素製品が並んでおり、通販でも主力商品になるような事例もあり、市場は数年前から動き出している(詳細は、健康博記念セミナーで)。
これらのキーワードは動き出して 1~ 2 年のものが多く、さらに期待が持てる。今月16日からの健康博で目で見て手に取り確認頂きたい。
また、こうしたキーワードの商品の動きを加速させるのに、65歳以上の高齢者人口の増加があげられる。人口減少と少子化が社会不安の要因になっているが、セルフメディケーションに目覚めた65歳以上の人口増加と健康寿命への行動変容が、市場拡大の可能性を拡大している。
(2016年3月2日発行、第1591号) 購読案内へ