特集

【特集】ブルーベリー 機能性表示受理で再評価 100トンの大台突破へ


ブルーライト対策にビジネスチャンス

 原料流通量100tの大台へ――アイケア素材の代表格として君臨するブルーベリーに市場拡大の兆しが見える。わかさ生活、えがおなどの有力通販メーカーが牽引する市場環境のなか、医薬品大手の興和、眼鏡の三城、コンタクトレンズ大手のボシュロムなど、異業種大手が揃って市場参入。新たに、某アパレル大手も商品化に動いており、「価格や宣伝広告などの最終調整段階に入っている」という情報も。また、機能性表示食品では、「トクホにない分野」として施行前から注目されていたアイケア分野で、5品目(下表参照)が受理されており、今後の市場底上げに期待がかかる。


 ブルーベリーサプリメントは、1990年代後半から市場形成が本格化。その後、「パソコン・携帯電話・ポータブルゲームの普及」「高齢化社会」などを背景に、アイケア対策への重要性が高まり、サプリメントをはじめ、菓子類、乳製品、シリアル、ドリンクなど、急速に裾野を広げた。主要原料サプライヤーへの取材から、機能性素材としてのブルーベリーの国内流通量は80tを超え、100tの大台突破も視野に入っているという状況だ。
 市場では、わかさ生活、えがおなどの通販メーカーが牽引する一方で、高い認知度を武器に、DgS・健康食品専門店などの店販ルートにおいても、“説明不要の定番商品”としての地位を築く。㈱興和をはじめ、眼鏡の㈱三城、コンタクトレンズのボシュロムなど、異業種大手が揃って市場参入しており、新規ユーザーの獲得も進んでいる。
 「高齢者」「受験生」をターゲットとした商品はもとより、パソコン・携帯電話の普及により深刻化する「VDT症候群(IT眼症)・ブルーライト対策」を切り口に、ブルーベリー配合商品の開発は引き続き活発。単体商品のほか、アスタキサンチン・ルテイン・カシス・DHAなどとのブレンド商品が主流となっている。

機能性表示食品、年内には10品超か

 国内流通量100tの大台突破に向けたキーワードは、「機能性表示食品」「一般食品への応用」にある。
 「機能性表示食品」については、2016年2 月時点で、八幡物産、わかさ生活、オリヒロプランデュ、リフレの 4 社 5 アイテムが受理されている。ヘルスクレームは、「(VDT作業による 9 目の疲労感」「ピント調節」が中心。わかさ生活では、「創業当初からビルベリーの産学共同研究を継続し、科学的根拠を実証してきた当社にとって、品質・安全性をより知って頂けるいい機会になった」としている。
 原料サプライヤー各社への取材では、少なくとも、現在5品以上が届出を済ませており、年内には10品目を超える の は 確 実 だ 。 申 請中・予定の商品の中には、『えんきん』(ファンケル)のように、「目の使用による肩・首筋への負担軽減」「ブルーライト対策」など、一歩踏み込んだ表示受理を狙うケースも多いという。
 「一般食品への応用」については、ブルーベリーは、ヨーグルトやシリアル、スイーツ、菓子類など、さまざまな分野で採用されているが、「味やイメージが評価されているだけ」との見方が強い。制度を活用することで、機能性を前面に押し出したドリンクや一般食品への応用に市場拡大の余地がありそうだ。

成分探索、葉・種子由来品など新素材開発進む

 常磐植物化学研究所、インデナジャパン、タマ生化学、ユニキス、備前化成など、主要原料サプライヤー各社は、機能性表示への対応はもとより、新規成分の探索、新素材開発を進め、訴求力を強めている。
 常磐植物化学研究所では、「VDT作業によるピント調節機能サポート」「ちらつき軽減」を想定した機能性表示対応素材として「ビルベロン- 25」を提案。データ拡充を目指し、現在、追加のヒト臨床試験も実施中という。
 インデナジャパンでは、機能性表示制度に対応可能な研究レビューを用意。さらに、ビルベリーの有用性について、アントシアニン以外の成分も重要であることを突き止め、論文発表する計画だ。新素材として、ビルベリー種子原料「オメガブルー」を上市している。インデナジャパンの商業代理店として、規格化ビルベリー原料「ミルトセレクト」をラインアップするのはユニキス。機能性表示を求める顧客に対しては、昨秋にまとめたビルベリーの研究レビューを提供。アントシアニンだけでなく、その他の成分も常に一定な「ミルトセレクト」だけに利用可能な研究レビュー結果となっている。
 ブルーベリーサプリメントには、アントシアニンを高含有する「北欧産ビルベリー」が主に使用されている。主要生産国はスウェーデン、フィンランドなど。原料価格は 7 万円~ 9 万円台が主流となっており、ここ数年、比較的価格は安定しているものの、依然として「ビルベリーエキス」を騙る粗悪・偽原料が市場に出回っている。ブルーベリーサプリメントを販売する企業、今後参入を計画している企業にとって、原料サプライヤーの選択が生命線になる。
(詳しくは4/6発行・第1593号で)





毎号平均60ページの圧倒的情報量で業界を牽引する「健康産業新聞」
ウェブ上では一部の紹介のみです。紙面には業界人必見の記事が満載。
信頼のオピニオンリーダー「健康産業新聞」をご購読ください。

毎月第1週、第3週水曜日発行 
年間購読料21,600円(税込)
(1666円/月)


行政・業界ニュース

企業ニュース

特集

PAGE TOP