抗肥満、美容、肝機能訴求で商品提案も

　コエンザイムQ10（CoQ 10 ）市場では、「強い抗酸化作用」、「エネルギー産生促進」という二大作用を生かした抗疲労訴求の機能性表示食品が上市され、新たな市場形成に向けた取り組みが本格化している。国内の原料流通量は前年比2ケタ増の20ｔ弱で推移する。原料は酸化型と還元型の2種類が流通。ここ数年、サプリへの導入が進んでいるのは、体内での転換が不要な「還元型CoQ 10 」。一方、「酸化型CoQ 10 」は水分散性や吸収性を高めている点を訴求ポイントとし、還元型CoQ 10 との差別化を明確にする。「抗疲労」、「運動・スポーツ」、「美容・ダイエット」、「肝機能サポート」用途での安定成長が期待されるCoQ 10 市場をレポートする。

「エネルギー産生」「抗酸化作用」を活かした商品開発活発に

　CoQ 10 市場では、抗疲労訴求で機能性表示食品が受理されたことを受け、新たな市場形成への期待が高まっている。森下仁丹は昨年 9 月に「日常の生活で生じる身体的な疲労感を軽減する」との機能性を表示した『還元型コエンザイムQ10（キューテン）』を発売。カネカの子会社のユアヘルスケアでは、今年 3 月に『還元型コエンザイムQ10』が受理され、近く発売を開始する予定だ。このほか、複数の商品で届出がされており、受理待ちという状況だ。抗疲労研究では、CoQ 10 の持つ①強力な抗酸化作用、②生命維持に必要なエネルギー産生にかかわる補酵素として重要な役割を果たしている ――という二大作用を有効活用した。
　末端市場では、「酸化型」と「還元型」の 2 種類の原料を利用した製品が流通する。酸化型CoQ 10 は体内で入ると還元型に転換され、エネルギー産生など本来の機能を発揮する。CoQ 10は水に溶けにくく、油に溶けやすい脂溶性成分のため、効果を発揮させるには食事とともに摂取する必要がある。このため、・・・
（詳しくは4/20発行・第1594号で）　購読案内
市場は「酸化型」「還元型」に二分