メタボ、ロコモ、疲労、脳機能の評価系人気に
機能性表示食品制度が昨年4月に施行されて以降、食品の有効性、安全性評価試験を専門に請け負う「食品受託試験機関」への相談依頼や引き合いが急増している。有効性評価試験の依頼は、整腸、血糖値、血圧、体脂肪・内臓脂肪のほか、膝関節、脳機能、アイケア、抗ストレス、睡眠、抗疲労、肌改善など多様化している。現状は大手企業からの依頼が大半で、中小企業はコスト面で断念するケースも。トクホ申請用の試験依頼も清涼飲料水と乳製品を中心に依然活発だ。試験依頼は大規模試験への迅速な対応が可能な試験機関に集中している。試験計画の立案から、試験管理、統計解析、報告書・論文作成までを一貫サポートできる点を強みに、存在感を高めている食品受託試験機関の現状をリポートする。
試験計画から論文作成まで実施
試験依頼は「実績重視」へ
機能性表示食品制度では、機能性の科学的根拠となる資料として、①最終製品又は機能性関与成分に関する研究レビューの実施、②最終商品を用いた臨床試験の実施 ―― のどちらかで証明することが必要。このうち、受託試験機関への依頼で最も多いのが臨床試験の実施だ。試験機関で研究レビューへの対応を図っているのはごく少数派だ。先月27日時点で、機能性表示食品として受理された304品目のうち、②で受理されたのは38品目(構成比12.5%。そのうち 1 品目は①と②の組み合わせ)。受託試験機関の主要各社によると、原料メーカーから研究レビューを目的に臨床試験の実施を依頼されるケースも増えているという。
臨床試験では、トクホに準じた試験方法での実施が必要で、1 年の猶予期間を経て、4 月より「UMIN臨床試験登録システム」への事前登録が義務化となった。また届出に当たっては、2014年12月22日、文科省・厚労省から告示された「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」へ・・・
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