機能性食品の議論の草創期、厚労省内部では生活衛生局と薬務局の権益をめぐる壮絶な争いがあった。文科省の特定研究「食品機能の研究」(藤巻論文)は、食品産業の新しい時代を切り開くとの期待があり、学会、産業界が飛びつき、厚労省の新開発食品対策室が動いた。当時の室長は稲葉氏で、内外の信頼も厚く、同室長のもとで健康食品懇話会が発足する。産学官が一体になり、食品の三次機能(整体調整機能など)の研究を押し進め、産業化への期待も高かった。同時に、ファンクショナルフーズとして、その概念は世界にも発信される事になる。
一方、薬務局も「食品の三次機能」という新たな概念が医薬品業界に与える影響の大きさを懸念し、予防薬の構想を打ち立て、OTC薬などの拡充で、機能性食品の概念の取り込みに走る。薬事法では食品の三次機能の台頭は存立危機でもある。合同庁舎の 2 階と 8 階で、俗に言う二八戦争の勃発である。
産業界でも本紙の顧問をされていた渡辺正雄、上田観平などの論客が食品の機能を巡る議論と薬事法の範囲について、熱い議論を展開する。戦後、各種の法整備が進む中、食品と医薬品は同列だった。食品衛生法に「口から入るもの ──(但し医薬品を除く)」、薬事・・・
(詳しくは7/20発行・第1600号で)
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