大麦やオーツ麦、パン酵母、黒酵母、キノコ類などに含まれる多糖類群「β-グルカン」。食品の機能表示が先行する欧米では2000年代からFDAやEFSAによって大麦由来β-グルカンが有する「冠動脈疾患リスク低減」、「コレステロールや血糖値の上昇抑制」といったヘルスクレーム認められ、また、酵母由来β-グルカンでも「免疫サポート」など多岐にわたるヘルスクレームが可能となっている。その高いエビデンスは欧米のみならず世界からも注目を集めはじめている。
国内では一昨年にスタートした機能性表示食品制度で、大塚製薬や永倉精麦、はくばくなどが大麦β-グルカンを関与成分とした商品で届出受理。スーパーマーケットをはじめとした一般流通でも“大麦β-グルカン”の文字が並ぶようになり、消費者の目に触れる機会が増加した。一方、酵母系β-グルカンを取り扱う企業では、「免疫領域」での届出を目指す。抗疲労や抗ストレスなど限定的な表現となるが、すでに届出を実施している企業も出てきており、受理されればさらなる注目が集まると予想される。新制度を追い風に、実力素材β-グルカンの市場拡大について大きな期待が込められている。
世界が注目する機能性素材
βグルカンは、免疫機能やメタボリックシンドロームへの作用が期待されている食物繊維の一種。ソースや構造によって確認されている機能性が異なることが知られている。大麦やオーツ麦から抽出されるβ-グルカンは「β-1,3/1,4グルカン(β-1,3 結合とβ-1,4結合が混合した直鎖を持つ)」と呼ばれ、米国では2006年から、大麦・オーツ麦β-グルカンを含む食品に「冠状動脈心疾患のリスクを減らす」という健康強調表示を認めている。国内では、2014年に大塚製薬の『大麦生活大麦ごはん』(届出番号A49)を皮切りに、はくばくの『大麦効果』(同A100)など、糖質吸収抑制・血中コレステロール低下・整腸作用を表示した機能性表示食品が登場。DgSやSM、自然食品店などで流・・・
消費者への認知がカギ
機能性表示が起爆剤となるか
β-グルカンは数多くの研究成果があり、有用な機能性素材であるにも関わらず、国内においては一般への認知はまだまだこれからといったところ。β-グルカンの認知拡大や科学技術的な知識の蓄積を目的に、国内で関連企業結集し、2009年にβ-グルカン協議会を発足。オリエンタル酵母工業やADEKAなどの幹事企業が中心となって、β-グルカンの普及拡大活動を地道に続けている。発足以降、市場は徐々に拡大傾向にあるものの、消費者に対し具体的な機能性の訴求や有用性のアピールがしづらい点もあり、医家向けやMLMなどクローズドマーケットでの展開が中心になる側面も。そんななか、業界が期待を寄せるのが機能性表示食品制度。消費者の更なる認知向上が市場拡大のカギを握るとして、各社とも制度利用に積極的になっている。
コレステロール低下や血糖値上昇抑制・・・
(詳しくは2/1発行・第1613号で)
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