食生活に浸透しているオリーブ関連商品。オリーブオイルは、利用方法や健康機能が広がり身近な存在に。食用油市場の3割以上を占めるまでに拡大し、果肉や葉に含まれる有用成分を利用したサプリメント、お茶、化粧品への関心も高まっている。また、欧州ではLDL酸化抑制に関する健康強調表示が認められているオリーブ抽出物は、機能性表示食品としての期待も大きい。すでに複数の原料サプライヤーがSR(研究レビュー)を終えている。認知度が高く、イメージの良さもあることから、受理製品の誕生が待ち望まれる。このほか、オリーブは地域活性化の観点からも注目度が上昇。6次産業化を目指したオリーブ栽培が全国に広がっている。
300億円市場、
オリーブオイルが定着
「近年、オリーブオイルの輸入量は右肩上がりで、1,000億円の食用油市場のうち、オリーブオイルが 3 割以上を占めるまでに成長している。特に家庭用商品の広がりが大きい」と話すのは日本オリーブオイルソムリエ協会の多田理事長。オリーブオイルは、独特な風味や香り、長い食経験からなる安全・安心感に加え、料理方法や健康機能が知れわたり、利用が広がっている。またオリーブオイルを取り入れた地中海食が生活習慣病の予防に役立つことなどが話題となり、男性への認知も高まっている。同協会では、「オリーブオイルソムリエ®」養成のためのスクール事業を手掛けており、資格認定者は約1,500人におよぶという。
オリーブ栽培で地域活性に
オリーブオイルはスペイン、イタリア、ギリシャをはじめ、その多くを海外から輸入している。国産品では、県花・県木に指定されている香川県が小豆島を中心にオリーブ産地として有名だ。平成26年度のオリーブ果実生産量は394tで「栽培面積が増え、昨年を上回る生産量となった」(県農業生産流通課・担当者)と話す。県では「かがわオリーブ品質表示制度」を・・・
メタボ・関節・美容・肝機能など
オリーブ果実・葉、多彩な機能で脚光
オリーブオイルは、一価不飽和脂肪酸(オレイン酸)を豊富に含有し、ポリフェノール、β-カロテン、ビタミンA・Eなども含む。国立健康・栄養研究所の健食データベースでは、文献検索した情報として、オリーブオイル、オリーブ抽出物を用いたヒトでの評価で血圧低下作用、コレステロール低下作用、中性脂肪低下作用、循環器疾患のリスク低減、リウマチ性関節炎のリスク低減 ―― などに関する有効性が紹介されている。欧州では2011年、EFSA(欧州食品安全機関)がオリーブ抽出物について、LDL酸化抑制に関する強調表示を承認している。
国内市場では食用オイルのほか、葉や果肉含まれる有用成分「ヒドロキシチロソール」「オレウロペイン」「ベルバスコシド」「オレアノール酸」などに着目した機能性素材が流通する。エーザイフード・ケミカルは、オリーブ葉抽出物の『オラリス』『オピエース』を供給する。自社のエビデンスデータをもとに、『オラリス』を関節対応として、『オピエース』を抗メタボ対応として拡販を進めている。サンブライドは、南フランス産のオリーブ果実ポリフェノール原料『Olivex®HT6』を供給。関節対応のほか、高い抗酸化力をもつ赤ワインポリフェノール、レスベラトロール、リコピンなどとの組み合わせ提案により、「美容サプリや飲料でも採用が進んでいる」という。
スペイン・ヘノサ社製のオリーブ果実抽出物「ハイトリーブ」を供給するエヌ・シー・コーポレーションは、機能性・・・
(詳しくは2/15発行・第1614号で)
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