機能性表示食品制度をきっかけに、日本の輸出入をめぐる環境が転機を迎えようとしている。輸入で見れば、イチョウ葉やルテインなど、海外原料の同制度での活躍が目立つ。輸出で見れば、同制度を活用して、健食のみならず農林水産物の海外輸出に弾みをつけようとする動きも出てきた。日本の健康産業は、ますます世界との結びつきを強めており、輸入においても輸出においても、新しい商機が生まれているようだ。
海外原料イチョウ葉
日欧での連携
イチョウ葉エキスでの機能性表示食品は、各社で届出・受理が続き、好調な動きを示している。この背景にあるのは、エビデンスが豊富な海外原料メーカーと、日本側の輸入商社、そして商品化する販売メーカーとの協力関係だ。ドイツのシュワーベ社とフランスのイプセン社が合弁で設立したスイスのリニア社は、米国、イタリア、英国、日本の 4 ヵ国向けにエタノール抽出でのイチョウ葉エキスを供給している。アセトン抽出になると医薬品扱いとなるが、エタノール抽出であれば食品扱いとなる。
シュワーベ社は12報に上る論文を有するなどエビデンス蓄積が進んでいる。ただ日本の機能性表示制度に対応させるためには、日本側で作業に当たれる専門家が必要。リニア社のイチョウ葉エキスにおいてこの役割を果たしたのが、シュワーベ・グリーンウエーブとRCTジャパンだ。RCTジャパンは薬事法分野でのノウハウを生かし、リニア社の公式SRを準備した。シュワーベ・グリーンウエーブの担当者は、「(事前に制度に対応するSRを準備したことで)大手企業を含めて多くの問合せをいただいている」としている。
実際、リニア社のイチョウ葉エキスを使用した機能性表示食品が各社受理されており、「公式 S R をベースにして、各社・・・
日本から海外への
輸出は?
日本から有望な輸出先となるアセアン市場には、FSANZなども進出意欲を見せている。海外へ進出するということは、「ネスレやダノンなどの世界メジャーと戦うことにもなる」ため、長期的な戦略が求められる。武田社長は、「例えばヤクルトなどはヤクルトレディの教育など、最後の販売まで視野に入れた戦略をとっており奏功している」と指摘する。単純に現地のインポーターにFOBで商品を渡すだけの時代はすでに時代遅れになりつつあるようだ。
機能性表示食品制度で受理されたからといって、そのまま海外でも認められるというわけではないものの、「エビデンスをまとめる作業自体、海外で通用するための試金石となる」との面もあり、海外進出を目指す企業にとっては登竜門としての役割を果たす可能性もある。実際、各国の・・・
(詳しくは2/15発行・第1614号で)
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