褥瘡予防、脳など機能性研究進む
「美肌」素材として圧倒的な知名度を誇るコラーゲン。訪日外国人によるインバウンド需要やアジアを中心とした海外市場開拓が進み、平成27年度は供給量が回復。近年はロコモティブシンドローム・サルコペニア対策、介護食・ケア食などシニア向け素材としての提案も回復を後押ししている。また、機能性研究では、免疫領域や脳への健康効果なども確認されており、性別・年代を問わない幅広い訴求での新市場開拓も期待されている。
美肌の代表素材、市場回復傾向輸出37%増、海外市場開拓着々
「美肌」の代表素材として確固たるポジションを築いているコラーゲン。消費者のコラーゲンに対する“飽き”や他の美肌素材の台頭、飽和感などが供給量減少につながっているという指摘もある一方、本紙が毎年 6 月、12月に実施している健康食品受託加工・製造企業調査では、常に人気受注素材として上位に挙げられる。2015年下半期は植物発酵エキス、青汁に次ぐ 3 位だったが、2016年下半期は高い認知度と体感性を武器に、2 位にランクアップした。
日本ゼラチン・コラーゲン工業組合は毎年 5 月に同組合会員企業のコラーゲンペプチド販売量を発表。平成27年度は4,886 t で前年比11.9%増、大半を占める「食用」は4,256 t で同9.8%増と回復に転じている。このほか本紙の推計では、同組合非会員の国内有力サプライヤーを加えると、コラーゲンの年間流通量は6,000t弱。要因としては、訪日外国人のインバウンド効果や、シニア向け、スポーツ向けといった用途拡大が考えられる。
輸出量は平成26年度の371 t に対し、平成27年度は・・・
シニア、スポーツなど訴求領域拡大褥瘡予防や脳など機能性研究も進む
美容の大型素材として安定的な地位を築くコラーゲンは、その高い知名度を武器に性別・年代を問わない幅広い訴求へとシフトを始めている。
新たな用途として特に注目されているのが「骨・関節」「血管」などロコモティブシンドローム・サルコペニア対策。機能性表示食品でも現在19品目のコラーゲン製品が届出受理されており、いずれも中高年向けの骨・関節対応製品だ。
また骨・関節以外にも、褥瘡予防や脳などに関する機能性研究が進んでいる。ニッピでは、日本褥瘡学会の褥瘡予防・管理ガイドラインにもコラーゲンペプチドが補助食品として推奨されたことを受け、同分野に関して注力する方針。研究成果を携え、本格展開を図る計画という。 コラーゲンペプチドの新分野の掘り起しに注力する・・・
Webでは記事の一部を公開。全文は「健康産業新聞」(3/1発行・第1615号)に掲載されています。
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