「血流」「体温維持」で機能性表示10品超に
血流改善素材は、訴求ポイントの裾野の広さが強みだ。動脈硬化予防・美容・冷え性対応から運動機能向上、疲労回復・アイケア・育毛・男性機能向上まで、血流改善作用を介した多機能を有することから、さまざまなコンセプトの商品に採用されている。「有効成分の吸収性向上」の観点から、主要成分の含有量を抑えられるため、コストメリットに繋がっているケースも。血流改善分野の機能性表示は難しいとされてきたが、体感を裏付けるエビデンスの構築も進んでおり、「血流」「体温維持」関連の商品として、この1年で10品以上が新規受理されている。
床ずれ、関節血流など
訴求を絞った素材開発進む
市場に流通する血流改善訴求素材は、高麗人参、ヘスペリジン、ニンニク、ショウガ、黒大豆、オリゴノール、カンカ、ケルセチン、シトルリン、イチョウ葉、松樹皮抽出物など多岐に亘る。滋養強壮素材の代表格である「ニンンク」など、大型素材が血流改善訴求で新たな用途開拓を進めているケースも。
動脈硬化予防・美容・冷え性対応から疲労回復・アイケア・育毛・男性機能向上まで、血流改善作用を介した機能性は幅広い。近年のトレンドとしては、褥瘡(床ずれ)、眼血流、関節血流など、より訴求点を絞った血流改善素材の研究・開発が進んでおり、「高齢者(介護)向け」「アイケア」「ジョイントサポート」など、ビッグマーケットへのアプローチも進んでいる。
富士経済の調査では、「血行促進」を訴求する商品マーケットは、健康食品分野では、ビタミンEを筆頭に、ショウガ、シトルリンが市場を牽引、ここ10年は、300億円~350億円で推移。一方、明らか食品・ドリンク分野においては、2016年の市場規模は、前年比132.5%の26.5億円に拡大すると推計している。2013年には、ヒット商品となった永谷園の『「冷え知らず」さんの生姜』が頭打ちとなり、市場規模は大幅縮小したものの、伊藤園・・・
ニンニク、タマネギ、ショウガなど
機能性研究進む
血流改善マーケットでは、ニンニク、ショウガ、黒大豆、タマネギケルセチン、ソバの葉、オレンジなど、一般食材として認知度の高い素材が数多く流通。“血液サラサラ”のイメージに頼らず、各社では独自のエビデンスを蓄積している。
黒大豆では、フジッコが血流改善による冷え・むくみ対策素材として、黒大豆ポリフェノール『クロノケアSP』を提案。機能性表示対応を進めており、今夏をメドに届出準備を終え、「“血管の健康維持”などに関連する機能性表示を目指した手続きを進める」計画だ。
黒ショウガエキスでは、オリザ油化が「AMPK活性化剤・・・
高麗人参、「冷え対策」に照準
砂漠人参・カンカ、女性向けからエナジーまで
高麗人参は、中高年男性を中心とした滋養強壮・疲労回復マーケットでの定着に加えて、エナジー系ドリンクでの採用が急増。さらに、血流改善作用を介した美容・冷え性対策機能が評価され、「高麗美人」(ていねい通販)をはじめ、女性向け商品への配合が進んでいるという状況だ。冷え性対策では、「“温活”をテーマに、ホットヨガのプログラムに高麗人参を活用するフィットネスクラブもある」という。飲料分野の某ナショナルブランドでは、健康機能食品(韓・・・
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