インドの伝承医学「アーユルヴェーダ」では、自然治癒力を高め、乱れた生命機能を調和させるための洞察と膨大な臨床試験に基づき、800種類以上のハーブが利用される。一般的には、瞑想やヨーガ、ハーブオイルを用いた美容サロンなどで用いられるほか、健康食品では、アムラやウコン、ガルシニアカンボジアなどが流通。アーユルヴェーダ素材で機能性表示食品を視野に入れる動きもある。
WHOも推奨
サンスクリット語のayur(生命の)とveda(知識体系)の合成語で「生命の科学 」 と 訳 さ れ る ア ー ユ ル ヴ ェ ー ダ(ayurveda)は、生命に関する総合的な理論として紀元前 5 ~ 6 世紀に体系化された。主に病因学、全身医療、予防医学を特徴とし、病気の分類や治療科目の分類、治療法、薬剤の多くは現代でもほぼそのまま踏襲されていることから、世界最古の医学体系ともいわれる。世界的に関心の高まる予防医学においては、安全、安価、効果的な医療としてWHO(世界保健機関)も推奨している。
理論に精通、有力素材・製品群も続々
アーユルヴェーダで使用される素材は800種類以上といわれており、主に美容や滋養強壮、解熱、神経疾患などの作用を持つものが多い。米国ではいち早く機能性研究が進み、90年代後半には、ダイエット素材としてガルシニアカンボジアやコレウスフォルスコリなどが大ヒット。2000年代初めには、米国サビンサ社のコレウスフォルスコリ抽出物が人気を集め、その後、日本でも人気素材に定着した。アーユルヴェーダの理論体系に基づき、インド産ハーブ原料を供給するサプライヤー各社では、アーユルヴェーダ処方の・・・