厚労省は3月31日、「新指定医薬部外品の製造販売承認事務の取扱いについて」の一部改正について通知(既報:1619号15面)。医薬部外品である「ビタミン含有保健剤」の効能・効果の表示について、体力や疲れ、寝つきなど、より具体的な表現が可能となった。サプリメントだけでなく、生鮮食品や菓子業界などからの注目が高まる機能性表示食品制度の伸長を背景に、OTC市場が動き出した。
今回の通知にある「ビタミン含有保健剤」は、1 種以上のビタミンを配合した製剤で滋養強壮、虚弱体質等の改善及び肉体疲労等の場合における栄養補給に用いることを目的として製造された内用剤。医薬部外品の多くが含まれ、剤形もカプセル剤、顆粒剤、丸剤、散剤、錠剤、ゼリー状ドロップ剤、経口液剤と幅広い。これまでの制度では、ビタミン含有保健剤に関する基準は、「滋養強壮」、「肉体疲労」、「栄養障害」、「妊娠授乳期などの場合の栄養補給」などの表示に限定されており、1999年に改正されて以降、表示の規制緩和は行われてこなかった。今回の基準改正は、日本OTC医薬品協会などから厚労省へ要望書が提出されたことがきっかけとなり、検討されてきた。
日本OTC医薬品協会では、機能性表示制度がスタートする前年にサプリメント等委員会を新設し、医薬品製造業の立場からのサポート姿勢を示すなど独自の動きも。背景には、海外OTC薬協会がセルフメディケーションよりセルフケアを訴求している点や、OTCだけでなくサプリメントも事業活動の主体としている点とともに、「健康食品の機能性表示制度は、消費者の商品選択に大きなインパクトを持つ」との観点を重視。状況把握として、「医薬品製造業の立場から、会員の製造販売するサプリメント等について必要な対応を行う」、「『機能性表示』に関する業界活動にも参画し、行政、有識者から最新の知見が得られるよう努める」「健康食品関連産業の中には一部不適切な面が散見されることから、会員が医薬品製造業の立場としてよりよい方向へもっていくよう支援する」といった取り組みを行うなど、OTCの発展にサプリメント市場の把握が不可欠となってきている。
今回の改正による健康食品市場への影響について、OTCも手掛ける健康食品メーカーからは、「部外品は一から申請するとOEMの方が早いが、処方を替えることができないので類似製品とのコスト競争になる」「OTCの効能効果が緩和に向かえば、ネット通販で似たようなOTC
が増えるので、例えば第三類の美肌訴求など新たなシェア獲得の動きがより活発化してくるのでは」など、OTC市場との役割の線引きに……
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