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食品3月期決算、健康・機能性食品も貢献 18社中16社が増益、12社が2ケタ増に

食品大手各社の2017年3月期決算が出そろった。営業利益ベースでは18社中16社が増益を記録する一方、半数以上の企業が減収となった。原材料調達コストの見直しなどに取り組む企業が多く収益性は改善。増益の16社中12社が2ケタ増を達成した。前年に2ケタ成長のヨーグルト市場全体が5%以上の拡大を持続しており、機能性表示食品も売り上げの増加に寄与。一般加工食品形態の同制度受理製品も55%前後と高いシェアを維持する。機能性表示食品は価格競争に巻き込まれないプレミアム商品として位置づけられている。食品大手各社はこうした“健康・機能性の付加価値製品”の取り組みを重点課題にすることで体質強化に取り組む。


多くが減収も増益で推移
機能性表示食品が高収益産む柱に

売上高1,000億円を超え、健康食品・栄養関連事業を展開する食品大手各社の17年 3 月期決算を集計した。それによると増収企業は18社中 8 社にとどまり、水産系や製油・製粉関連を本業とする10社が減収となった。

個人消費に若干の持ち直しが指摘される中、一部の食用油などでは価格競争もあり、売上高で前年を下回る企業は少なくなかった。水産系メーカーのマルハニチロと日本水産は、全体の売上高は微減だが、DHA・EPA関連の製品の売上は好調。一部で輸出も増加した。製粉・製油関連では日清製粉が微増ながらも増収増益。機能性表示食品として「アマニオイル」を発売するなど、高付加価値製品の投入で将来的な体質強化を図る。営業利益ベースで43%増となった日清オイリオグループは中鎖脂肪酸油が好調だ。大口の既存顧客の需要が安定しているのに加え、新規の獲得増が貢献した。一方、J-オイルミルズは油脂部門では「AJINOMOTO健康こめ油」や「~アマニブレンド油」といったプレミアム製品を投入。健康食品関連は単価下落の影響を受けた。ビタミンK 2 の販売は、海外の大口顧客による在庫調整が響き前期を下回った。

好調分野はスポーツ栄養と
乳酸菌・ビフィズス菌

製菓関連の健康・栄養事業は比較的好調に推移した。市場の拡大が続くスポーツニュートリション分野では明治や森永製菓ともに大きく伸びた。

明治は「ザバス」がジュニアをはじめとしたユーザー層の拡大により前期を大幅に上回った。森永製菓は主力ブランドの『inゼリー』が機能性を訴求したマーケティングや広告展開の効果もあり年間を通じて好調に推移。前年比で23%と伸長。『おいしいコラーゲンドリンク』や『パセノール』関連製品も前期を上回り健康部門は307億3,500万円(前期比23.4%増)となった。

乳酸菌やビフィズス菌関連の動きは、前年に引き続き好調。明治ではプロバイオティクスヨーグルトが増加。「明治プロビオヨーグルトR-1」は継続した特性アピールと売り場づくりの強化が奏功した。森永乳業も「シールド乳酸菌」など機能性素材が拡大した結果、健康・栄養事業は 7 %伸びた。雪印メグミルクも機能性を訴求したヨーグルトの販売拡大が業績に寄与。同社が保有する乳酸菌「ガセリ菌SP株」の機能性表示食品関与成分としての知名度上昇とともに業績も伸長している。

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