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病者データ拡充検討 業界団体の事前点検で受理迅速化

規制改革で答申、「機能性表示」改善で8項目

機能性表示食品制度で、「植物エキス」「糖質・糖類」の追加に加えて、使用できる根拠データの拡充により、機能性表示の幅が広がる可能性が一気に強まってきた。政府の規制改革推進会議(議長=政策研究大学院大学教授・大田弘子氏)は先月23日、「規制改革推進に関する第1次答申」を取りまとめ、安倍首相に手渡した。機能性表示食品関連では、受理の迅速化に関する各種施策や、業界団体との連携強化、使用可能な根拠データの拡充などを求めている。各事項はそれぞれ措置までの期限を設定しており、業界からの質問に対応する「専門窓口」の設置など、最も早い実現を求めるものの期限は「今月」となっている。規制改革の新たな流れが今月から一気に動き出すことになる。なお答申を反映した「規制改革実施計画」は今月中に閣議決定する見通しだ。


■安倍首相、規制改革は「一丁目一番地」

答申後に記者会見した大田議長は、答申を受けた安倍首相の発言を紹介。安倍首相は「規制改革が一丁目一番地であることに変わりはない」としたうえで、直ちに「規制改革実施計画」を策定し、取りまとめられた事項を実施に移していくとした。「まだまだ多くの規制改革に取り組まねばならない」との認識を示した。

大田議長は全体を総括し、「今残っている規制は構造的に難しいものばかり」であると指摘。すぐに解禁とはいかないが、まずは省庁を改革の土俵に乗せて、改革の方向性を示すのが「第 1 ラウンド」になるとした。「これからの詰めが重要。しつこく、粘り強く取り組んでいく」と語った。

答申は、農業分野、人材分野、医療・介護・保育分野、投資等分野、インバウンド支援などの規制改革事項を示すもの。事業者が負担する行政手続きコストを2020年までに20%削減することも求めた。

機能性食品制度の運用改善策として示したのは 8 項目(表)。

①「運用改善目標の設定」
9月までに工程表

今年 9 月までに、制度の運用改善目標を設定することを求める。またその目標を実現する工程表を公表することとした。受理の長期化により企業が事業を展開するうえでの予見可能性が損なわれていることを受けた措置だ。

②「届出書類の簡素化」
6月中に目標設定、来年度措置

書類作成が容易でないことが処理の遅滞の一因になっているとの指摘を踏まえ、必要な届出書類の簡素化を図る。その目標は今年 6月中に設定し、今年度中に結論を得て、来年度に措置するよう求めた。届出書類の様式はガイドラインの別添になっているため、この措置はガイドラインの改正が必要になる見通し。

③「業界団体との連携強化」
業界団体が「点検」、確認作業迅速に

注目は業界団体等との連携強化策。業界団体の機能を活用する狙いがある。業界団体等からの質問・相談に対応する「専門窓口」を6 月中に消費者庁に設置するよう求めた。また受理の迅速化に向けて、届出書類を業界団体等が点検する仕組みを構築するよう要求。現在も届出支援は民間で行われているが、業界団体による事前チェックが行われたことを示すことで、消費者庁での確認作業が迅速に進むようにする。この仕組みについては今年度中に結論を得て、来年度に措置するよう求めている。仮に、届出様式に点検済みを示すチェック欄を設ける場合、これもガイドライン改正が必要になる。

④「ガイドライン見直し、Q&A作成」
年内公表の線も?

エキス等の追加で、届出ガイドラインは年・・・

詳しくは2017年6月7日発行・1621号紙面で(年間購読が必要です)

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