㈱ニュートリション・アクト(東京都港区、 03-5475-7313)は先月26日、モロッコの薬用植物研究で、特にアルガンオイルの第一人者として知られる国立モハメド 5 世大学教授のズビダ・シャルーフ氏の来日講演会を都内で開催した。
アルガンオイルは、モロッコ特有の樹木であるアルガンツリーの果実100kgから1 Lしか作られない希少オイル。
同氏は、「アラブ人の多く住む首都ラバトのある北部は、経済的に発展している一方、先住民ベルベル人の多く住む南部は、経済、子供たちの教育、女性の地位などが立ち遅れていた」ことから、1996年にベルベル人女性を組合員とするアルガンオイル製造・運営の『タルガニン生産協同組合』が発足したことを紹介。先進諸国の要求する品質に対応できるよう低温圧搾生産システムを開発するとともに、食品用途における血中脂質の改善、化粧品用途における肌や髪の保護といったアンチエイジング作用の研究も進めるなど産業化を推進したという。
2003年からは、日本総販売元であるニュートリション・アクトと共同で『タルガニンプロジェクト』として支援。アルガンオイルを通して、モロッコやアフリカ女性の社会的地位向上に加え、環境保護、地域開発、女性の地位向上を満たす新たなフェアトレードの商流モデルとして評価されている。1996年に年間200Lだった輸出量は現在1200tまで拡大。モロッコ政府では2020年までに20万haのアルガンツリー拡大計画があるという。