昨年にインバウンド需要減で影響を受けた健康食品受託市場が改善傾向にあることが、本紙の独自調査でわかった。16年度に増収となった企業は6割。乳酸菌ブームが継続しているほか、海外展開が奏功している企業がみられた。一方で機能性表示食品が必ずしも売上に寄与しないケースがあることも浮かび上がった。また今回初めて、人手不足を背景としたロボット等によるFA(ファクトリーオートメーション)化について調べた結果、導入済み企業は1割。3割弱の企業が関心を持っている(18~34面に健康食品受託特集)。
6 割が増収、「海外好調」の声
調査は 5 月から 6 月にかけて、全国の健康食品受託企業を対象に実施、80社から有効回答を得た。売上規模は10億円未満の企業が過半数(左下グラフ)。
17年上半期の経営状況を聞いたところ、「非常に良かった」( 3 %)と「良かった」(51%)の合計は54%。インバウンドの反動が影響した昨年末調査から 6 ポイントアップした(右上グラフ)。
16年度の売上増減率は、増収企業が6割、前年並みが 2 割、減収が 2 割だった。「良かった」と回答した企業からは、「機能性表示食品の増加」「商社経由の海外売上が好調に推移」「海外向けを中心に美容飲料が復活の兆し」といった声が聞かれた。一方で「どちらともいえない」という企業からは、「機能性表示食品がなかなか売り上げに結びつかない」「輸出案・・・
機能性表示、「評価する」は減少
上半期の人気受注素材は、「乳酸菌」と「植物発酵エキス」が17票で同率 1 位。「乳酸菌」は 3 位から順位を上げた。近年の乳酸菌ブームが受託市場にも好影響を与えているようだ。インバウンドの反動の影響を受けた「植物発酵エキス」が復調しているとの声も聞かれ、下半期の人気受注素材予想では21票を集めて単独トップになっている。
ランキングにはこのほかコラーゲンや青汁、プラセンタなどが並び、調査からはリピ・・・