㈱三菱総合研究所 政策・経済研究センター
劉 瀟瀟氏
中国では日本製化粧品の人気はすでに定着したといえる。資生堂をはじめとするメーカー各社も、かつてのように現地生産ではなく、日本国内で製造したものを輸出している。そのため国内での生産能力は増強されており、そのまま“Madein Japan”として輸出、販売するのが主流となっている。
訪日客によるインバウンド消費は、かつての自動車や家電の“爆買い”から、日常的に使う商品へとシフトしており、化粧品需要は相変わらず堅調だ。特に注目されるのは、日本の自然や温泉を満喫しながら、ご当地素材を使った化粧品づく り を 体 験 で き る“ビューティーツーリズム”だ。つまり、「どういう商品を売るか」よりも、「どういうストーリーを買ってもらうか」を考えれば、化粧品にとってもさらにビジネスチャンスは広がる。
日本では年代別の化粧品があったりするが、現代の中国では親の世代に化粧の習慣がなかったため、BBクリームのように一本ですべて対応できるような商品に人気が集まったりする。
分かりやすく悩み別に訴求するのもいいかもしれない。安価でかわいい韓国製品に比べて、日本の化粧品にはアンチエイジングとしての効果を求める傾向がある。ドラッグストアで販売されているコスメの価格帯は中国の大学生でも手が届くため……
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