体の内側からの「美と健康」をケアするインナービューティ素材・商材の市場は、1,500億円を超えるとみられ、年々、拡大基調にある。従来の美容成分であるコラーゲンやプラセンタ、ヒアルロン酸、セラミド、エラスチンなどに加え、特に近年は、体の健康状態が美容にも有益との理解が進み、なかでも腸内環境がそのカギを握ることから、乳酸菌や酵素(植物発酵エキス)などを用いた製品開発が活発化している。またシニア層の増加を背景に、エイジングケアへのニーズも高まる中、加齢と共に減少する女性ホルモンを補う成分、酸化ストレス対策成分などを配合した商材も人気だ。肌訴求のトクホや機能性表示食品も登場しており、市場は今後ますます拡大が期待される。ここでは注目のインナービューティ素材・商材をピックアップ、その動向をレポートする。
乳酸菌・酵素が台頭
健康食品受託製造企業が選んだ「2017年上半期の人気受注素材」のランキングを見ると、酵素(植物発酵エキス)と乳酸菌がトップを分け合い、コラーゲンが 3位、プラセンタが 5 位、ヒアルロン酸が 9位となった。一方で化粧品受託企業のランキングでは、1 位プラセンタ、2 位コラーゲン、3 位ヒアルロン酸、7 位セラミドと、内外美容素材の人気がうかがえる結果となっている(22面・37面参照)。
なかでも、ここ数年エステサロンや化粧品メーカーなど美容業界が提案を活発化させているのが「腸内環境の改善」だ。もともと便秘は肌に悪いことは知られていたが、最近はメディアを通じて腸内フローラの役割等、腸内環境に関する情報が紹介される機会が増えており、消費者ニーズを後押ししている。このため、美容素材の定番であるコラーゲン、プラセンタ、ヒアルロン酸、セラミド、エラスチンなどに続き、酵素や乳酸菌、発酵素材など腸内環境改善に有効とされる商材の需要が伸長している。
乳酸菌の機能性研究では、便通改善や腸内環境の改善効果はもちろん、脂質代謝の改善や、腸内発酵を正常化し、腐敗・・・
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