今年上半期の海外動向で注目されたのが、世界的なビタミン価格の高騰だ。すでに総需要の90%以上を生産している“世界のビタミン工場”としての中国の存在感が浮き彫りになると共に、今後高値が定着する可能性もあり、ビタミン価格は岐路に立っている。サプリの消費市場としても米国と肩を並べつつある中国は、海外の有名ブランド買収に動くなど、中国への市場参入のあり方が新たな段階を迎えている。健康志向の自然食市場拡大が続く米国では、アマゾンが自然食スーパー最大手のホールフーズマーケットを買収。健康産業にネットの“巨人”が参入してきた。
世界的なビタミン価格高騰
高値定着か、予断許さず
世界的に見て、今年の上半期はビタミン価格の高騰があり、特にビタミンC(L-アスコルビン酸)の末端価格は昨年と比べて 2 倍近くとなった(健康産業速報・5 月9 日付既報)。背景には、2022年の北京五輪を前に、中国で環境規制が厳しくなっており、生産工場が相次いで減産や閉鎖に追いこまれていることがある。世界需要が約14万トンと言われるビタミンC市場で、中国は約17万トンの生産能力を持つが、今後も減産が続けば、生産能力は13万トンを切る恐れもある。その懸念から商社などが買占めに動いたこともあり、価格高騰に拍車がかかった。
中国政府から各省に対しては、ビタミン類製造にかかわる電気および蒸気の規制が指示されており、メーカー各社工場で・・・
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中国市場をめぐる動き
一般貿易伸長、大型M&Aも
中国保健協会の調べでは、中国の保健食品の市場規模(売上高)は、2,000億人民元(約 3 兆4,000億円)を超えているとも言われている。その巨大市場をめぐっては様々な規制があるなかでも海外勢の動きが活発で、日本健食企業も最終製品や半製品、原料などの形で取引が増えつつある。
豪サプリ大手ブラックモアの中国国内における売上は、決算開始月である昨年7 月から今年 3 月までの間で9,200万ドルとなり、前年比60%増となった(健康産・・・
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