欧州連合(EU)は19日、がん防止策として、レストランなどに発がん性があるとされるアクリルアミドを抑制する努力を義務付けることを合意した。アクリルアミドは、イモなど炭水化物を多く含む食品を120度以上の高温で焼いたり揚げたりする過程で化学反応を起こして発生するとされる。
ベルギーの伝統的な料理の一つであるフライドポテトは、アクリルアミドが多く生成すると考えられ、新基準では規制されるのではないかと懸念されていた。しかし、合意内容は抑制の努力義務にとどまり、調理法の変更までは義務付けられなかった。同国のボルシュ農業相はツイッターに「ベルギーのフライドポテトは助かった!」と投稿した。
欧州食品安全機関(EFSA)は、2015年、アクリルアミドは発がん性物質で、現在の基準では発がん影響に懸念があるとした。新たな規制は、2018年春に施行される見通しで、食品に含まれるアクリルアミドの上限値を設定するなど追加措置も検討される予定だ。
日本では昨年、食品安全委員会が人における健康影響は明らかではないが、動物実験の結果から発がん性に懸念がないとは言えないため、できる限りアクリルアミドの低減に努める必要があるとしている。