米国で「吸うチョコレート」が議論を巻き起こしている。フロリダのサプリメント会社が、鼻から吸引して摂取するカカオパウダーの商品「Coco Loko」を発売。気分を高めるなどの効果があるというが、議員が同国食品医薬品局(FDA)に調査を要請するなど、商品の安全性が懸念されている。
商品には、カカオパウダーに加えて、エナジードリンクに配合されることの多いイチョウ葉、タウリン、ガラナ、ターメリックなどが含まれる。販売会社は、子供や妊婦は摂取を控えるべきとして、18歳以上を対象に店頭やオンラインで販売している。
CNNによると、専門家らは、商品に含まれる成分は、食べる場合には健康被害を引き起こすものではないが、鼻から吸引する場合には、鼻腔を傷つけたり、肺に入ったりするおそれがあると指摘。身体に良いとされる成分であっても、吸引した場合の健康への影響を調べた研究はないため、安全性は不明としている。
カカオには抗酸化作用などの効能があると報告されているが、カカオに含まれるカフェインの過剰摂取は、中枢神経系を刺激し、めまいや心拍数の増加などを引き起こすこともある。米国では、粉末の純粋カフェインを過剰摂取した後、若者が死亡した事例が相次ぎ、FDAは粉末のカフェイン摂取は避けるべきだと注意を促している。商品のカフェイン含有量は明らかにされていないが、カカオパウダーにはある程度カフェインが含まれると考えられる。チャック・シューマー上院議員は「多くの若者に被害が生じる前に、正式な調査をすべきだ」とFDAに要請した。