主なヘッドライン
「高齢者世帯」過去最高に、「老老介護」は5割以上
「高齢者世帯」は全世帯の26.6%、65歳以上の「老老介護」は54.7%。いずれも過去最高に――。厚生労働省が先ごろ発表した「平成28年 国民生活基礎調査」で明らかとなった。高齢者世帯は、平成10年調査に比べ2倍以上に上昇。そのうち、単独世帯は半数の49.4%に及んだ。65歳以上の健康状態をみると、病気やけが等で自覚症状がある有訴者は人口千人あたり446.0人。男女共に「腰痛」「肩こり」「手足の関節が痛む」が上位を占めた。介護の状況でも、要介護の初期段階である要支援者の主な原因は「関節疾患」「骨折・転倒」などが上位となり、適度な運動や予防食品を活用したロコモティブシンドローム(運動器症候群)対策の重要性がうかがえる。
『えんきん』と肝障害の因果関係否定
㈱ファンケル(横浜市中区、 045-226-1200)は、目の焦点調節機能を補助する機能性表示食品『えんきん』を摂取して薬物性肝炎を発症したとする事例について、同製品と健康被害との因果関係はないとする調査結果を発表した。インターネット上で、同社製品で健康被害が生じるとの表記があったことを受け、同社は消費者庁などに調査結果を報告するとともに、同庁で記者会見を開き、調査内容を説明した。
話題追跡・法規制強化で変わる健食訪販
高齢者に対する販売方法が社会問題になっていることなどを背景に、訪販やネットワークビジネス、電話勧誘販売に関連する法規制が強化された。すでに6月からは改正消契法がスタート。過量な内容の契約取り消しなどが可能になった。年内には、見直しを図った特商法が施行される。執行内容が厳格化する一方、事業者サイドからは「悪徳企業を淘汰する効果はあるが、行政には適切な運用を求めたい」という声もあがる。
外食チェーン初の機能性表示食品、牛丼の具「サラ牛」、吉野家の狙いは?
㈱吉野家(東京都中央区)は、外食チェーン初となる機能性表示食品として、今年3月から『サラシア入り牛丼の具』(以下省略:『サラ牛』)を自社通販サイトで販売している。7月からは吉野家店舗で『サラシア牛丼』の販売も開始。同社では、「ベジ丼」、「麦とろ牛サラ御膳」など、“うまい、やすい、はやい”に“健康”をテーマに加えたメニューを増やしており、新たな顧客獲得を目指すとともに、「牛丼=不健康」といったイメージの払しょくを図る。
商標弁理士の連載講座・差別化できるネーミングのポイント、前篇
中小企業の商標登録出願件数が急増している。特許庁によれば、2016年の同件数は7万8,907件となり、前年比約23%増。2年間では6割近くの大幅な増加だ。一方、大企業等を含む総数でみても、国内の商標登録出願件数は14万8,024件と前年比約13%増となり、現行制度下で最多となった。健康食品でもネーミングが重要なポイントだが、商標権には要注意だ。本連載では、弁理士による解説を2回にわたって掲載する。
インド税制改革、健食で混乱 成分によって税率異なる場合も
インドで先月実施された独立後最大といわれる税制改革で、サプリメントをはじめとする健康食品が宙に浮いた形となっている。現地の企業は対応に追われるほか、インドと取引のある日系企業では新税制そのものが十分に把握できておらず、影響の先行きは予断を許さない。
長谷川香料、米国で健食に本格参入 21年までに「75億円+買収シナジー」
長谷川香料㈱(東京都中央区)が健食用途への販路拡大に向けて動き出した。同社の米子会社であるTHUSA社は 6 月30日、米国において健康分野の食品・飲料用途で販売ルートを持つ F I H 社を買収。米国での2021年の売上予想を「75億円とシナジー効果の上乗せ」と見込む。
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特集は・・・
【アミノ酸・ペプチド】
ロコモ・サルコペニア対策や高齢者の低栄養対策、運動前後の栄養補給や疲労回復、ボディーメイクやダイエット、睡眠の質改善など、幅広い訴求で活用されているアミノ酸。機能性表示食品でも各種アミノ酸が届出受理されており、訴求も幅広い。健康食品・サプリメントはもとより、飲料やゼリーなど一般食品への採用も進んでいる。進む超高齢化社会、2020年東京五輪も追い風に、アミノ酸の活用シーンはさらなる広がりを見せている。
【注目の植物油】
(キャノーラ・オリーブ・ゴマを中心とした)家庭用植物油の市場が1,200億円規模で高位安定する一方で、アマニ、エゴマ、ココナッツなど、「新油」と呼ばれる市場が盛り上がりを見せている。「新油」は、「食べる油」「サプリ的オイル」として市場に定着、2015年のブームの反動はあったものの、2016年の市場規模は150億円をキープした。内訳はシソ・エゴマ58億円、アマニ52億円、ココナッツ37億円。サチャインチ、カメリナなど、ニューフェイスも続々登場しており、200億円市場に向けては、機能性表示食品の登場、スーパーフードブームが追い風となる。本特集では、「n-3系脂肪酸の補給源」として認知拡大が進むアマニ(亜麻仁)油・エゴマ油のほか、エイジングケア効果が期待される米胚芽油、スーパーフードオイルとして注目高まるココナッツ、チアシード、など、注目の機能性植物油を紹介する。
【α‐GPC/HMB】
2009年に食薬区分改正により食品としての利用が可能になったα-GPCとHMB。国内での認知度は決して高いとはいえないが、近年スポーツニュートリションとしての引き合いが強まり、両素材とも年々供給量が増加している。特にHMBは、筋肉へアプローチするサプリメント素材として、通販ルートを中心に売上が急増。機能性表示食品としても受理されており、「筋肉量、筋力維持」といった表示が可能になるなど、市場拡大に向けて勢いづいている。一方、α-GPCは、コリン誘導体の一種で、米国では循環器系と脳機能、および細胞膜の構成と補修に不可欠な水溶性栄養素として認知され、適正摂取量が設定されている必須栄養素。ようやく国内でもコリン補給の重要性が認識されはじめ、生体利用効率の良さなどが評価されはじめている。最近では、HMB同様スポーツ向けに、「筋肉修復」、「筋力増加」、「判断力の向上」などの機能性に注目が集まり、採用が増加傾向に。このほか、超高齢社会を背景に認知症などの脳機能対応素材として脚光を浴びつつあり、美容やエイジングケアといった分野でも採用が拡大している。
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