日本医療研究開発機構(AMED)は今年6月、「腸内細菌叢を応用した医療分野における研究開発・知的財産動向調査・調査報告書」(請負先:三菱ケミカルリサーチ)を発表、「腸内細菌叢に関する特許出願は、増加傾向」と指摘した。また「多くの企業はコンスタントに特許出願」しており、「開発中の製品では用途特許で保護している」としている。
同報告書では、「更年期障害予防・改善剤および機能性飲食品(カルピス株式会社)」、「免疫調節活性の高い乳酸菌の培養法(株式会社明治)」など、特許出願状況に関する一次調査の結果が掲載されているほか、二次調査としてエキスパートインタビューを行っている。
腸内細菌を利用した医薬品、食品、飼料(ペットフード)では、多くは用途特許を主に出願している。新規な菌種 を発見した場合は有用性を示さない限り特許化は難しい。 (同報告書)
機能性食品の場合、有用な機能をラベルに記載するための用途特許を主体として、菌株で特定した微生物そ のものの特許や、複数の成分からなる組成物の特許などで多面的に保護する。また、メディア報道されることも あるので、自社製品が他者特許に抵触しないこと(そのためのFTO調査)が重要。 (同報告書)
また報告書では、「製薬、診断、食品企業と今後ますます連携が進む」や「機能性食品も将来的には有望」との声も紹介されている。
平成28年度 腸内細菌叢を応用した医療分野における 研究開発・知的財産動向調査 調査報告書(国立研究開発法人 日本医療研究開発機構)