7月の訪日外客数が発表された(8月16日JINTO)。前年同月比16.8%増の268万1,500人(推計値)で、単月として過去最高となった。1-7月総数の伸率(昨年比)は韓国(伸率42.8%)、香港(25.2%)の増加は著しい。また、豪州(11.6%)、米国(13.3%)、カナダ(18.9%)、ロシア(39.6%)、欧州もドイツ(9.9%)、イタリア(9.0%)、フランス(6.6%)、スペイン(13.3%)となど堅調な伸びを示している。また、訪日客の旅行消費額は、半期で(1-6月)、初めて2兆円を突破した( 7月19日観光庁)。
(出典:日本政府観光局)
2年前の「爆買い」は健康食品や化粧品の国内市場活性に大きく貢献したが、その後、訪日客の行動と消費は「モノからコトへ」、「都市から地方へ」と変化をみせ、国や地域も「アジアから欧米へ」と広がりを見せ始めている。スパなどの美容と健康サービス分野も、訪日客獲得への期待は大きいが、多くは「待ち」の姿勢。マーケティング材料は想像の域を出ず、漠然と「欧米」や「富裕層」をターゲットに据えているのが現状だ。
観光立国には欠かせない、むしろ拡大できるはずの、こうした「美容・健康」分野の調査があまりにも遅れていることが気になる。「新・観光立国論」の著者デービッド・アトキンソン氏は、近著でも、インバウンドにおける国別の戦略不足を指摘している。まずどの国のどんな層に来てもらうかだ。訪日プロモーションも次のフェーズに入っている。 昨年上方修正された2020年目標は、訪日客数4,000万人、旅行消費額8兆円だ。
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