男性のビタミンB6、B12の大量摂取は、30〜40%肺がんの発症リスクを高めることがオハイオ州立大学などの研究でわかった。一方、女性ではこれらのビタミン摂取とがん発症率との相関関係はみられなかった。論文は「Journal of Clinical Oncology」に掲載された。
研究チームは、50〜76歳の7万7千人以上を対象に過去10年間のビタミンの摂取状況について調査。1日の摂取目安量よりも多くビタミンB6、B12を継続して摂取していた男性は、そうでない場合と比べて肺がんの発症率は2倍だった。喫煙者の場合はさらにリスクが増し、男性喫煙者がビタミンB6を大量に摂取した場合は3倍、ビタミンB12では4倍近く発症率が高かった。
過去には、ビタミンB6は肺がんリスクを抑制すると結論づけた研究もある。調査チームは「肺がんに対するビタミンB6、B12の効果は、もろ刃の剣のようだ。摂取期間や摂取量に左右されるのだろう」としている。