厚生労働省は食品に残留する農薬等に関するポジティブリスト制度について、昨年11月29日に関係法令を官報で公布した(1130号2面既報)が、これに伴う残留農薬等の試験法と関係法令の整備に関する関連通知が先月12日、出された。今春までに追加の関連通知が出される予定だ。しかし、今回の関連通知については、残留農薬分析のプロである受託分析機関の間から、「分かりにくい内容」との指摘も出ている。健康食品業界でも同制度の運用面での理解が十分進んでいないことに加え、5月29日の施行までに示される試験法ではすべての農薬等をカバーするのは困難との見方も広がっている。ポジティブリスト制度というハードは作ったが、試験法や業界への普及啓発などソフトが不十分なまま多難な船出となりそうだ。