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【健産online】クルクミン化合物で抗がん剤開発へ 京大チームら

京都大学の掛谷秀昭教授(天然物化学)、金井雅史特定准教授(腫瘍学)らの研究チームは、株式会社セラバイオファーマらと共同で、抗がん活性作用のあるクルクミン化合物の開発に成功した。研究成果は1日「Biological and Pharmaceutical Bulletin」電子版に掲載された。掛谷教授らは、抗がん剤の開発を目指す。


ウコンに含まれるクルクミンは、抗酸化、抗炎症、抗がん作用などがあることが知られている。しかし、クルクミン原末は腸から吸収されにくく、多くが体外へ排出される。掛谷教授らはこれまで、株式会社セラバリューズとクルクミンを細粒化した「セラクルミン」を開発。吸収率を約27倍に高め、肝機能改善効果などを確認しているが、経口摂取では抗がん作用を持つ有効成分の血中濃度が十分に上がらないという課題があった。

研究チームは、クルクミンの化合物を合成。結腸癌を移植したマウスに静脈投与する実験で、有効成分の血中濃度が約1000倍になり、抗がん作用が確認された。また、マウスには体重減少などの副作用がみられなかった。掛谷教授は「副作用の少ない抗がん剤が開発できる可能性がある。また、クルクミンは動物実験レベルで、生活習慣病や炎症性疾患に効果があることも報告されており、がん以外の病気の治療法開発にもつながるかもしれない」と話している。

 

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