第16回「ダイエット&ビューティーフェア2017」(※)のオープニングイベント「ビューティ&ウエルネスサミット」第2部で、健康なライフスタイルへの「行動変容とその継続」が議論された。
A.I.や画像解析を駆使するダイエットアプリ「あすけん」を展開する㈱ウィットの事業統括責任者 道江美貴子氏は、人の欲求に応えるアプリのコンテンツとは何かを紹介する一方で、人的サポートの重要性について語った。また、からだデータを活用する街づくりに取り組む奈良県立医科大学教授 梅田智広氏は、見える化の新事例として、現在・未来の身体寸法変化に伴う疾病リスクと医療費予測、目標達成に必要な歩数やカロリー摂取した際の歩数の違い、そして、想定体型による身体動作動画を紹介。その上で、これらのデータを活用し、より具体的に個に対応(個適合)することこそ重要とした。両氏の発言を受け、東京大学附属病院小児科医伊藤明子氏は、行動変容に効果的なアプローチとして3つの要件を挙げた。それは、「パーソナルな介入と密なフォロー」と「同じ目的を持つ仲間やグループによるソーシャルキャピタル」、そして「エビデンスの確かな健康情報の提供」だ。
現在、アプリを始め行動変容をサポートする多くのサービスや商品、施設が登場しているが、この3要素を満たしているかが、行動変容への鍵となる。先ごろ、2007年生まれの人の半数が100歳以上生きるという予測が発表された。いよいよ、人生100年時代の到来。「健康」であることが一層重要視され、それをサポートする予防分野のビジネスへの期待が高まることは間違いない。人的サポートに強いエステティックやフィットネスなどの美容・健康施設と、最先端のIT技術とが互いの強みを発揮できる、一刻も早い連携モデルが求められている。
※ 第16回「ダイエット&ビューティーフェア」は9月11日~13日、東京ビッグサイトで、開催された。次回は、2018年9月10日~12日東京ビッグサイト西1.2アトリウム。