健康を左右するキーワードとして近年注目を集める腸内フローラ。いまや国民のほとんどが自分の腸内環境に関心を寄せ、ヨーグルトや飲料、発酵食品やサプリメントといった“腸内環境改善に良い食べ物”を積極的に摂取する傾向に。その中心にあるのが乳酸菌やビフィズス菌で、民間の調査会社が行った消費者調査では9割以上が何らかのかたちで乳酸菌やビフィズス菌の摂取経験があり、「腸内環境の改善には、乳酸菌・ビフィズス菌が有効」という認識が広まっている。
◆「腸は第二の脳」健康寿命のカギを握る腸内フローラ
健康増進における重要なキーワードとしてマスコミで取り上げられ、いまや国民の一大関心事となった腸内フローラ。腸内細菌のバランスが崩れると便通に影響することはもちろん、肥満や糖尿病などの生活習慣病リスクが高まるほか、脳機能の低下やうつ状態を引き起こす要因とされ、健康寿命を大きく左右する要素として認知されはじめている。
腸が重要な役割を果たすのは近年の研究でも明らかで、最近では「腸は第二の脳」とも。もともと腸は独自の神経ネットワークを有しており、脳からの指令とは別に独立して活動することが可能。生物の進化の過程から検証し、最初に神経系が誕生したのは脳ではなく腸であったということも指摘されている。脳の原型が腸であるとされ、脳が発達した現代においても、腸は脳に大きな影響を及ぼすとされることが報告されている。その一例として、脳内で分泌される神経伝達物質のドーパミンやセロトニンといったホルモンも、腸内細菌の量によって分泌量が左右されるという。古くから“腸脳相関”とも言われるとおり、腸の重要性については近代の研究の推進によって裏付けされている。
腸内環境の解明に一役買っているが最新のテクノロジー技術だ。次世代シークエンサーを用いたメタゲノム解析によってヒトの腸内フローラが解明されつつあり、国や地域に影響して腸内フローラも多様化していることも判明。腸内細菌メタゲノムやメタボローム、さらには内視鏡による臨床データ……
◆腸内フローラ改善に有用菌の摂取を”乳酸菌・ビフィズス菌”
メチニコフのヨーグルト不老長寿説から100余年。遡ればパスツールの乳酸菌発見から微生物研究、特に乳酸菌の有用性や生理学的な研究が進み、生理活性や機能性が多くの研究者によって明らかにされてきた。近年、腸内フローラを良化する素材として…