九州企業(沖縄は除く)の総売上高が1,900億円を突破、前年比で105%の伸びを示した。全国的に不況感が漂う業界で九州はいまだに元気だ。今回は、100社を超える製造・販売メーカーや原料メーカーを訪ねて調査範囲が大きく広がったことも影響していると考えられる。全国的に健食市場が苦戦している中にあって、必ずしも九州だけが例外的に好景気に沸き立っているというわけではない。一部に閉塞感はある。但し、年々調査対象の広がりとともに売上規模が右肩上がりの九州健食市場が秘めるポテンシャルの高さを内外にアピールできる数字には違いない。九州の健食市場を牽引しているのは昨年同様、通販メーカーなどの無店舗系。薬系は横ばい、食系はいよいよ転換期に立たされた感がある。今年の特長は3つある。機能性素材が一般食品用途で急伸していること、それに合わせて店舗づくりも変化している。これは全国的な傾向かもしれないが、自然食品や天然由来の素材が注目を集めている。また産学官の大きな取り組みがスタートしたことだ。九州では機能性食品を柱とした初めての取り組みとして、「九州地域バイオクラスター」が発足した。九州市場の新たな起爆剤となるか、内外の関心を集めている。