強い色を持つ食品が今、注目を集めている。例えば、ドリンク製品を中心にヒット商材となっており、強烈なオレンジ色を持つ沙棘。また、昨年末、本紙で「話題の抗酸化素材」として特集した、アスタキサンチンやクランベリーも、強い赤色を持ち、いずれも高い抗酸化能を有することが分かっている。そして今回のテーマ、黒である。黒い植物素材の色素は、アントシアニンがその源となっており、やはり高い抗酸化能を有することが特長となる。また動物性の黒い食品では、アミノ酸含有量の高さなどが特長的だ。黒色食品は韓国や中国で一大ブームとなり、わが国ではハウス食品㈱の『黒豆ココア』のヒットをきっかけに注目が高まった。スーパーマーケットでも黒豆や黒ゴマを使った商品が数多く陳列され、黒豆豆乳なども登場。さらに江崎グリコ㈱が『黒五』を使ったポッキーを発売するなど、その認知度は飛躍的に向上している。近年の健康食品の傾向は、CoQ10やα-リポ酸、アミノ酸系ドリンクや燃焼系サプリなどのヒットから、「抗酸化」「アミノ酸」が有力な訴求点になっていると分析できる。さらに自然食志向の高まりも加味すると、今回取上げた黒い食品は、まさに時代にマッチした食品群と言えるだろう。今回は植物系として黒大豆、黒米、黒房すぐり、黒ゴマ、黒松の実などの黒五系素材、動物系素材としてスッポン、烏骨鶏をクローズアップした。注目の黒色食品市場をリポートする。