健産抄

【健産抄】3000万人の訪日客も消費マーケットに

訪日中国人客の爆買いが一段落した時に、業界関係者は一過性のブームに肩を落とした。爆買いが二年も三年も続いて欲しいと思いながら、夢のような出来事は長く続かず、意外に短く終わった。中国政府も、関税などを引き下げ、国内需要の喚起に取り組んだ事から、一方で、越境ECの拡大は進んだが、これで爆買いは終わりかと。

ところが、健康産業新聞の調査では、そうでもなくて、訪日客の増加が、ドラッグストアでの健康食品の売り上げ動向に一石を投じ、今年は店舗の増加と訪日客の利用で、薬系ルートで、健康食品が久しぶりの大きな伸びとなっている。企業関係者との話でも、2800万人とか3000万人に迫る規模での訪日客の購買力を無視できないという認識だ。政府も当面4000万人ほどを目標に旗を振るが、毎年3000万人以上の訪日客があるわけで、人口が1億2700万人を切り、この中で、消費をリードする人の数が三分の二としても8000万人、それに対する3000万人だからインパクトは大きい。

悲観も楽観もせず、国内人口の減少と消費の伸び悩みに対して、この数字に向き合えば、プラスαの市場への期待も生まれてくる。家計調査などにも当然出てこない数字なのだが、いい商品、安心できる商品であれば、彼らが国に戻っても、市場拡大は続く。国内だけを見ていくビジネスは、そろそろ終焉を迎える。健康食品でも海外のウエートが大きいとする企業も出てきた。いよいよ節目の年となる。

<関連記事>
・【健産抄】
・【総力特集】健食受託加工・製造 5割の企業が良好と回答 インバウンド一服も新制度への期待高まる
・増える訪日外国人、その変化に注目を
・【ZOOM UP】馬の油 日本産、海外で高評価 国内市場も活性化

行政・業界ニュース

企業ニュース

特集

PAGE TOP