機能性表示食品の影響、徐々に
トクホ市場は、前年比1%減の6,630億円となった。市場の3割以上を占めるトクホ飲料は、『コカ・コーラプラス』(コカ・コーラシステム)など話題を呼んだ商品もみられたが、各社が推し進めるブランド飲料のトクホ化や、2つの健康機能を謳うWトクホが一巡したことに加え、トクホと同様な健康機能で、比較的安価な機能性表示食品が増えた影響も大きい。ヨーグルトなどの乳製品トクホも2016年の伸長した反動のほか、同ジャンルで機能性表示食品の台頭もあり、鈍化傾向に。トクホ許可・承認件数は、昨年10月に機能性表示食品に抜かれ、市場は見直しが始まっている。各社、健康機能における再発信、ブランド強化、20、30代男女の獲得に向けた販売プロモーションなどに注力し巻き返しを図る。
ウェブでは一部を公開しています。全文は紙面(2018年1月3日発行・1635号/新年特別号)で
2016年・許可件数は50品目切る 「肌」対応、ポーラが資生堂に続く2品目
昨年1年間の許可件数は、2016年に比べ半数以下となる45品目となり、承認を含むトクホ総数は1,080品となった。許可件数45品目のうち、コストが比較的に低く抑えられる再許可トクホは19品目、規格基準型トクホは1品目だった。許可された関与成分をみると、難消化性デキストリン、茶カテキン、カルシウム、大豆たんぱく質、DHA・EPA、葛の花エキス、ネオコラタノール、ケルセチン配糖体、CPP-ACPなど。剤型別では、飲料(茶系飲料、炭酸飲料など)が多かったほか、錠菓タイプや、納豆といった一般食品もあった。
新たな動きでは、昨年12月にポーラ化成工業が米胚芽由来のグルコシルセラミドを関与成分とした粉末清涼飲料『ディフェンセラ』で許可表示を取得。「肌」対応では、2016年4月に資生堂の清涼飲料水『素肌ウォーター』(関与成分:コンニャク由来グルコシルセラミド)に続く2品目となる。資生堂はまだ……
飲料・ヨーグルトとトクホVS機能性表示食品の様相
市場全体をみると、トクホ飲料では、昨春にコカ・コーラシステムが「コカ・コーラ」ブランド初となる炭酸トクホ『コカ・コーラプラス』を上市。同社では「炭酸トクホの市場活性に大きく貢献できた」と話す。一方、茶系トクホはこれまでの勢いにブレーキが掛かった。市場を牽引するサントリー食品インターナショナル食品は、「特茶」シリーズを展開。同シリーズには、脂肪分解酵素を活性化させるケルセチン配糖体を配合、“体脂肪を減らす”のを助ける茶系トクホとして、「伊右衛門茶」、「カフェインゼロ」に加え、昨年は「ジャスミン」を市場に投入した。「特茶」シリーズ全体の販売数量は、上半期は前年を上回ったものの、通期では……
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ヨーグルトをはじめとした乳製品トクホ(『ブルガリアヨーグルト』〈明治〉、『ナチュレ恵』〈雪印メグミルク〉、森永乳業〈ビヒダス〉など)も、ここ数年の伸長率の高さから昨年はその反動がみられたほか、『恵megumi ガセリ菌SP株ヨーグルト』などの機能性表示食品が注目を浴び、伸び悩んだ。明治、森永乳業は横ばいから……
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