何度か書いているNHKスペシャル「人体シリーズ」、7日の「骨が作り出す最高の若返り物質」もなかなかの衝撃で、見てない人のために触れておく。記憶力、精力、免疫力、筋力などを司る鍵が骨芽細胞にというもの。
骨の形成は、破骨細胞と骨芽細胞の相互の働きで更新されているが、これらを司るアクセルとブレーキの役割をするメッセージ物質が体の状況に応じて出ているというもの。泳いで島にわたる時間をマウスで調べると、骨に関与するオステオカルシンという物質がある場合は、実験を繰り返す毎に、時間がどんどん短くなるが、この物質のないマウスは毎回、初回と同じほどの時間がかかり学習の効果が見られない。また、自転車競技の選手で、骨量が少なく老化が進んでいる選手でその要因を調べる。その結果、骨は衝撃が多いと破壊の裏側で形成が進み、骨芽細胞の働きが活性化するが、自転車では衝撃が少なく、メッセージ物質の出番が少なくなくなっていたと。ランニングなどの運動の併用で回復に向かったとも。
確かに、宇宙飛行士が地球に降り立つ時に、無重力の空間で骨の老化が進み、回復には半年ほどかかるというのはよく聞く話だ。美容も強精も関与するとなると、悩める人にとって、骨を軽くは扱えない。栄養士は「コラーゲンなどをとってもアミノ酸として吸収されるだけ」というが、「コラーゲンを取ると、コラーゲンを作る働きが刺激される」とする実験報告もあったような。機能性表示の議論さえ陳腐化し、コラーゲンの実験が再評価される時代が来るのかもしれない。(次回は14日「腸が免疫の鍵だった」)
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