オピニオン

【インタビュー】注目の“健脳”素材 -九州大学名誉教授 医学博士 藤野武彦氏-

1991年に「脳疲労」の概念を提唱し、「脳疲労」解消のために脳を活性化する手法「BOOCS(脳指向型自己調整システム)理論」を創出した藤野武彦氏(九州大学名誉教授 医学博士)。脳へのストレスが認知異常や精神的行動異常につながるとして、脳疲労対策の重要性を指摘する。プラズマローゲンの認知機能改善に関する機能性研究にもいち早く着手し、機能性素材の開発も手がけるなど多岐にわたる活動を行う同氏に、脳疲労対策について聞いた。

【インタビュー】注目の“健脳”素材 -九州大学名誉教授 医学博士 藤野武彦氏-

藤野武彦氏(九州大学名誉教授 医学博士)

■脳疲労とは-
脳疲労は、私が九州大学医学部第一内科において心臓・血管系の病気の研究を行う傍ら、九州大学健康科学センターが開設されたのを契機に「健康科学」という新しいサイエンスに挑戦した際に提唱した概念で、ストレス過多(情報過多)により大脳新皮質と大脳旧皮質の関係性が破綻し、正常な機能を果たせなくなった状態を「脳疲労」と定義しました。ストレス過剰になり脳疲労状態になると、認知異常や五感異常が発生し、精神的言動異常や行動異常につながり、身体異常(肥満などのメタボ・生活習慣病)や、精神異常(うつ病、神経症、その他)に至り、この一連の流れを「脳疲労発症仮説」と定義しています。

■脳疲労の対策は-
脳疲労発症仮説の原因は脳にありますから、脳を癒すことによってこれら疾病のリスクを解消できるとしたのが「脳疲労治療仮説」で、BOOCS法(脳指向性自己調整システム) と呼んでいます。

BOOCSは、2原理3原則によって構成されています。BOOCS2原理は、①「禁止・禁止」の原理(自分で自分を禁止することをできる限りしない)②「快」の原理(自分にとって心地よいことをひとつでも開始する)。BOOCS3原則は、①例え健康に良いこと(運動など)や、良い食べ物でも、嫌であれば決してしない(食べない)。②例え健康に悪いこと(食べ物)でも、好きでたまらないか、やめられないこと(食べ物)は、とりあえずそのまま続ける(決して禁止しない)。③健康に良くて、しかも自分がとても好きなこと(食べ物)をひとつでもよいからはじめる(食べはじめる)。こうした脳にストレスを与えず脳を癒す生活を心がけることが生活習慣病や認知症などの予防、改善に有効だと考えています。

■脳疲労対策サプリメントの役割とは-
サプリメントはエビデンス(科学的根拠)がしっかりしていれば、非常に有効だと考えています。自然由来の成分であれば……

 

ウェブでは一部を公開。記事は「健康産業新聞 1637号」に掲載しています。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50ページ)定期購読のお申し込みはこちら

<関連記事>
・【業界時事セミナー】「認知機能のアセスメント・評価方法を考える」-認知症の危険因子、年齢で差異-(健康産業新聞主催)
・【健産online】「認知症は予防可能」で健康格差に注目 米コホート研究に助成金
・【特集】アクティブシニアサポート 前期高齢者は若返るも後期高齢者の増加深刻
・【特集】DHA・EPA 機能性表示食品で市場活況-”記憶力の維持”、”中性脂肪低下”テーマに83品へ-
・【健康産業新聞】プラズマローゲンで「学習記憶能力増強剤」特許取得、丸大食品

行政・業界ニュース

企業ニュース

特集

PAGE TOP