農林水産省が9日発表した2017年度農林水産物・食品の輸出実績によると、輸出額は前年比7.6%増の8,073億円で、5年連続の増加となった。健康食品やサプリメントは、貿易対象品に付けられるHSコードがなく食品に分類されるため、食品輸出額に占める正確な割合は不明だ。しかし、日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、健康食品に関する相談は近年増加傾向にある。国立社会保障・人口問題研究所の17年推計で、日本の人口は2053年に1億人を切ると予測されるなか、各社が海外戦略を練り始めているようだ。
ジェトロに寄せられた健康食品に関する相談件数は、2015年に248件で、2017年は420件にまで増加した。農林水産・食品部加工食品・酒類支援課長の濱田哲一氏によると、多くの企業が頭を悩ませるのが各国の法規制だ。輸出先によっては、日本と同じヘルスクレームや成分が使えるとは限らない。同氏は「原料として輸出し、製品化や販促は現地に任せるというのも一つの手段だ」と語る。そのためにも「展示会や商談会で直接会って話し、信頼できるパートナーを探すことが重要だ」……
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中国、現地の理解不足に注意
中国への進出で成功を収めれば、大きな利益をもたらす可能性が非常に高い。中国保健協会の王鶴松氏は「深く根付いた養生の概念、高齢化、所得水準の向上などで、中国が世界最大の健康食品市場になることは疑いの余地がない」と語る。越境ECサイトへの出品を支援するGL-Plazaジャパンの小嵜秀信代表取締役会長は「中国市場において、高品質というイメージが定着した日本製品のポテンシャルは高い。中国ECサイトへの出品で、日本での売上を大きく上回った商品もある」と語る。
しかし、中国市場で成功した例はまだほんの一握りだ。海外輸出を支援する関係者の多くは、「他国への進出と比べて、中国進出は途中で断念する企業が圧倒的に多い」と……
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