日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)は、2017年度の全国ドラッグストアの総売上高が前年比5.5%増の6兆8,504億円になったとする調査結果を発表した。同協会では10兆円産業を目指すべく「次世代ドラッグストアビジョン」を策定。「食と健康」の新分類に基づく商品陳列を推進し、1,200品目を超えた機能性表示食品などを最大限に活用し、新たな市場創出につなげる。昨年行った店舗での実証試験では、健康食品や介護食品の売上が増えるなど一定の成果が示されたという。
さらなる拡大に向け「機能性表示食品」活用
全国のドラッグストア総売上高は、2016年度に続き、5%台の伸び率となった。
カテゴリー別では、OTC医薬品、健康食品、介護用品、ヘルスケア用品などの「調剤・ヘルスケア」は全体の3割以上を占め、前年比3.7%増の2 兆1,649億円となった。このほか、生鮮食品、菓子類などの「フーズ・その他」( 1 兆7,779億円・7.9%増)、家庭用品などの「ホームケア」(1兆4,762億円・6.2%増)、化粧品などの「ビューティケア」(1兆4,314億円・4.7%増)も前年比を上回る伸び率となった。
同協会では団塊世代が後期高齢者になる2025年までにドラッグストア業界の10兆円産業を目指すべく、昨年、次世代ドラッグストアビジョンを策定。健康に関する多様な相談を受けつけ、店舗で解決出来ない問題は、地域の専門家を紹介するなど、地域連携を強化した「街の健康ハブステーション」の構築を推進する。
また、同協会では機能性表示食品などを活用した「食と健康」の新分類に基づく商品陳列づくりを進め、新たな市場創出を図る。昨年11月から神奈川県の2店舗での売り場づくりのトライアルを実施した。「機能性食品」「プロテイン食品」「スマイルケア食品」と3 カテゴリーの商品群による棚割りを構成。主にサプリメント形状の商品からなる「機能性食品」は、トクホ、栄養機能食品のほか、機能性表示食品を部位別、機能別、成分別などで陳列。「プロテイン食品」は、動物性、植物性プロテインを揃え、アスリート向け以外に、子供向け、中高齢向け、ダイエット向けなど目的別に陳列した。
棚割りの刷新だけでなく、機能性示食品の種類や活用法などを説明した顧客用配布パンフレットなども用意。2ヵ月の実験期間の結果によると、売上金額ベースは、対前年同月比で機能性食品は増加したほか、サプリメント形状では2ケタ増の商品もみられたという。
ウェブでは一部を公開。記事は「健康産業新聞 1641号」に掲載しています。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50ページ)定期購読のお申し込みはこちら
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