新日本製薬(株)(福岡市中央区、092-720-5800)は先ごろ、化粧品原料「カプセル紫根」の製法特許を取得したと発表した。
「紫根」とは、日本で絶滅危惧IB類に指定されている薬用植物「ムラサキ」の根。江戸時代から皮膚の傷を治す漢方薬などに使用されるが、その紫根から抽出した「紫根エキス」は油溶性のため、化粧水などに配合する際の安定性が十分でなく、配合量が限られていた。このため同社では、紫根エキスの安定性を高める取り組みを実施。2006年より、同社岩国研究所にて「ムラサキ」の自社栽培に着手。根が水を求めてまっすぐに伸びる特性を利用し、筒内の水分量をコントロールした筒栽培という有効成分の含有量を高める栽培技術を実現。特許製法では「紫根エキス」をリポソーム化することで、「紫根エキス」の層(油層)と水分の層が、交互に重なったラメラ構造(層状構造)を形成。油溶性でも幅広く化粧品に配合することが可能となった。
今後は特許製法を活かし、化粧品原料及び皮膚外用剤組成物として製品に応用していく。
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