6月8日、新潟市では健康ビジネス協議会の定時総会が開催され、約160名が参加した。昨年から運用を開始した水性印刷商品認証制度には県外企業からの関心も集まっているほか、それに続く第二弾として準備を進めている「要配慮者向け災害食」の認証制度は、実際に災害を経験してきた新潟からの新しい市場創出の試みとして注目される。健康ビジネス協議会の吉田康会長(ブルボン社長)に、取り組みの現状と展望をうかがった。
―昨年からスタートした水性印刷認証制度には、会長の強い思いがあると聞いているが?
働いている方の健康を考えて、やろうということになった。準備段階では、一般の包材印刷と同程度のコストにするため、技術改良に取り組む方々は大変苦労されたと聞いている。それでもできるということが分かったので、認証制度をスタートさせた。
―大阪や愛知からも認証企業が出ているが?
当初予想した以上に、認証を取ろうとする包材企業は増えており、その包材を使用する食品加工企業からも関心が高まっている。一つの良い流れができていると思う。いま「健康経営」といわれる通り、働く人の健康というものに意識が高まっている。
これからはそれぞれの組織体が、そこで働く人たちの健康をしっかりと考える必要がある時代だ。また水性印刷は環境配慮にも優れていることから、その恩恵は国民全体にも広がっていくはずだ。
―第二弾の「要配慮者向け災害食」に向けた期待は?
今回の熊本地震では、すでに災害の経験がある新潟としてもっといろいろなことができたのではないかと思う。そのあたりは検証も必要だと思うが、少なくとも要配慮者の方々にとって悲しい出来事が続けて起きないように、これからはそのような出来事がゼロになるようにできることをやっていきたい。
―今後も新しい取組みを準備されているか?
第三弾、第四弾というように、続々と続いていくだろう。次のテーマとしては、高圧技術なども考えている。単に新潟発というだけではなく、日本発として、世界に発信していく規格基準をどんどんとやっていこうと考えている。
―世界のなかでの新潟、ということになるか?
世界のなかでこれからいろんな地域同士が連携する、そういう一つの志のもとにやっていきたい。日本のなかでも他の地域もあるだろうし、他の国の中にもそのような地域はあるはず。国境を越えた地域同士のネットワークが広がっていけば、と考えている。