消費者庁および農水省は20日、熊本地震で被災した熊本県内全45市町村について、食品表示規制を弾力的に運用することを明らかにした。
これは、被災地への円滑な食料供給が課題となっていることを受けたもの。通常、ファミレスや給食センターなどに供給される食品は、段ボール等の外箱に一定の表示がなされており、個包装には表示がない。今回の弾力的運用を受け、このような表示がない個包装食品を被災地に供給することが可能となる。ただアレルギーの情報については、消費者にも確実に提供する必要があり、表示事項を記載した紙を個数分用意したり、掲示・POPを近くに配置するなど、情報を伝える取組みが求められる。
消費者庁表示対策課食品表示対策室によれば、今回の弾力的運用はあくまでも、取締りを行わなくても”差し支えない”とするものであって、消費者の誤認を招くような悪質な違反については引き続き取締りを行う。
三上信治・同室長は弊紙からの取材に対し、「食品へのニーズのみならず、公衆衛生へのニーズもある。それぞれのニーズを適切に判断していく必要がある。」と話し、今後の運用については、拡大もしくは制限、様々な可能性があることを指摘、関係省庁と連携しながら必要な措置を講じていくとしている。