健康ビジネス協議会の定時総会が8日、新潟市で開催され、約160名が参加。吉田康会長(ブルボン)は「新潟から世界に向けて続々と発信を続けていく」と意気込みを示した。新潟県の健康ビジネス連峰政策を民間で推進する健康ビジネス協議会は、昨年から運用を開始した「水性印刷商品認証制度」に続き、今年度中を目途に「要配慮者向け災害食」の認証制度立ち上げを目指している。
同協議会では、アレルギー体質や透析患者などといった要配慮者らが、災害時の避難所で食べるものがないなどの問題を抱えることから、それに対応する表示制度を準備中。安心して摂食できるものを認証し、表示を行うことで、新しいビジネスチャンスを生み出す狙いだ。
亀田製菓お米研究所の渡辺紀之主任研究員は、「すでに販売しているおかゆ商品を、嚥下困難者向けの災害食として認証を受けて表示ができれば、まだまだ商品の少ない災害食分野での差別化にもつながり、新しい市場が生まれる」と話す。機能性米の生産を進めるエコ・ライス新潟の豊永有氏も、「中越地震では透析患者の避難所での問題、東日本大震災ではアレルギー患者が食事に困っている姿を目の当たりにしてきた」と語り、取り組みの重要性を強調した。
日本災害食学会の別府茂副会長(ホリカフーズ)は、「要配慮者向け災害食では、低たんぱく、アレルギーなどはもちろん、特定の宗教的習慣などをもつ外国人なども要配慮者に含まれる」と説明。「期限が過ぎれば大量廃棄される非常食とは違う新しい食品ジャンル。既存の食品メーカーすべてに可能性のある市場だ」としている。