本紙では7月16~18日に米国シカゴで開催された「IFT食品素材見本市」を取材。「植物性プロテイン」の勢いがさらに加速しているほか、「グルテンフリー」訴求が依然として活発である様子がうかがえた。約1200社が出展した展示会の内容から、日本への影響も大きい米国食品市場の潮流をレポートする。
出展1200社、中国企業が2割
2年前のシカゴ開催時は南館のみであったが、今回は北館を増設。世界中の展示会と同様、「IFT」でも中国企業の進出は目覚ましく、全体の2割ぐらいのスペースを占めた。なお、日本の関連企業の出展は約30社だった。
今年の展示会では植物プロテインが館内を席巻し、大豆やえんどうはもちろん、様々なタイプの植物性プロテインが紹介された。米、小麦、ヘンプ、アーモンド、パンプキン、そら豆、ひよこ豆、ゴマ、アマランサスなど多様なタンパク素材が展示されていた。
一方で巻き返しを図るかの如く、ホエイ等乳タンパク素材の提案が、フォンテラ、ERIE、イングリディア、Hilmarなどで積極的に行われていた。
グルテンフリーは勢いが落ちることなく、至る所で提案がみられた。グルテンフリーのパンというと日本では米粉での代替が一般的だが、米国ではライ麦、コーン、ポテトなどでの設計提案も。すでにグルテンフリーは浸透しているが、本展示会での提案の多さをみると、今後もさらにグルテンフリー製品の増加が予想できる。
グレイン増加とスーパーフード・スーパーフルーツ
展示会ではこのほか、グレイン(雑穀類)を各種揃えた企業が目立った。キヌア、チア、テフ、カムート、玄米、ワイルドライスなど、各社が多彩な雑穀類を紹介した。
スーパーフードとしては、これらのグレインのほか、ココナツ、アサイー、バナナ、アセロラ、マキベリー、ゴジベリー、シーベリー、サチャインチ、クロレラなど多種多様。特に粉末タイプをよく見かけた。
Mitsui & Co.(三井物産)は沖縄のスーパーフードを紹介。シークワーサー、ウコン、長命草、アロエ、黒ニンジン、モズクを紹介するとともに、沖縄県健康産業協議会の認証である「WELLNESS OKINAWA JAPAN」をアピールした。
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