日本人は臭いや味に敏感な民族として知られ、口臭、体臭、加齢臭など人が発する悪臭を除去する消臭素材の開発や、食品中の嫌味となる雑味・エグ味・苦味などを低減する味質改善・マスキング素材の開発は他国と比べても発達している。臭いに対する意識は年齢、性差を問わず高まる傾向にあり、エチケット製品の市場は確実に拡大している。呈味改善・マスキングの市場では、シクロデキストリンを中心に安定しているが、最近は天然志向を反映し植物抽出物が用いられるケースが増えている。
本稿では、これら消臭、呈味改善・マスキング機能を持つ素材についてみていく。
日本人の消臭ニーズ
日本人は欧米人に比べると臭いに敏感な民族として知られ、調査会社マイボイスコムが行ったウェブ形式のアンケート調査では、臭いに対して「とても敏感」、「やや敏感」と答えた人は76.5%で全体(19,910名)の3/4に上った。さらに、「臭いの気になる人」についての質問では、「自分自身」が39.5%・・・
消臭対策製品の開発動向
消臭対策製品は根強い人気を誇り、安定した市場を形成している。
口臭対策製品は、ミントやメントールで口中の清涼感を与えるもの、舌苔除去に着目したもの、胃の中で溶けて消臭効果を発揮するものなど様々な訴求点で錠菓、ガム、キャンディ、グミ、タブレットとして展開されており、ロングセラーとなっている商品も多い。
【消臭素材】
●緑茶抽出物
●鉄クロロフィリンナトリウム
●米麦芽・大豆発酵素材
●さとうきび抽出物
【呈味改善・マスキング素材】
●シクロデキストリン
●さとうきび抽出物
●糖転移ヘスペリジン
●ゆずポリフェノール
●焙煎米糠&大豆抽出物
●フルーツ由来の天然香料